「女性の体は7年周期で変化する」と最近、耳にすることありませんか?
この説は、漢方の長い歴史の中で古くから言い伝えられてきたものです。なんと1800年も前に書かれた「黄帝内経」(こうていだいけい)という中国最古の医学書に書かれています。こんなに昔の考えでも現代の女性にも当てはまるのでしょうか?じつは大きく変わってはいないのです。寿命は長くなりましたが、生理にまつわる年齢は昔の女性とほぼ同じ、初潮が13歳くらい閉経は平均50歳くらいです。
つまり、この7の倍数の変化は現代にも通用するということです。この変化を知りそれぞれの年代に合わせた養生法で、元気で若々しく過ごすことができるのです。
グラフからわかるように0歳から生理がはじまる14歳、さらに性成熟する21歳までは上昇カーブを描きます。35歳までほぼフラットな状態。35歳を境に下降しはじめます。42歳までは緩やかな下降ですが、以降はカーブが急になっていきます。
養生をはじめるには28歳がオススメです。女性としてピークを迎えますが、35歳に向かってパワーも体の巡りも徐々に落ちはじめています。それまではねのけられていたストレスや冷えの影響が現れはじめるのもこの年齢からです。
加齢とともにパワーが減っていくのは仕方のないことではありますが、同年齢でも若々しく元気に見える人がいるように上手に養生すれば下りカーブも緩やかにすることはできます。
そこで、年代別の体の変化を知り、食事や運動、生活習慣で養生しましょう。
エネルギーは充実し、妊娠する力も充分あり、肌や髪もツヤツヤと輝いている時期です。でも、体力がある分、仕事や遊びで無理をしがち。「ストレス」や「冷え」が原因で気や血の巡りが悪くなると不調を抱えてしまうかもしれません。
体力など充実していてもストレスや冷えが引き金となって生理のトラブルが起こることがあります。PMS(月経前症候群)でイライラしたり、むくんだり、生理痛がつらかったりなど、ひどくなると生理不順になってしまう方もみえます。お肌のハリや髪のツヤが一番あるときなのに白髪や抜け毛が増えたり、お肌の乾燥やニキビが増えるようなら年齢より老化が進んでしまってるのかもしれません。また仕事などのストレスからイライラしたり暴飲暴食をしたりするようなときは気の巡りが滞りやすく、冷えが辛かったり、元気がわかないときは血の巡りが滞っている心配があります。
ストレスはため込まないことが大切です。我慢していると、どんどん「気」の流れが悪くなり、その影響で「血」も滞ってしまいます。おとなくし過ごすより体力があるので元気の出る方法で外へ発散しましょう。
朝食はしっかりと摂りましょう。胃腸を動かすことで「気」の巡りが良くなり、タンパク質を取り入れると「血」の材料となります。冷えを防ぐためにもスープなどの温かいものがお勧めです。くれぐれもジュースやアイスを朝食代わりにしないでくださいね。
体力は充分ありますから、簡単なストレッチよりは負荷をかけたトレーニングをしてみてはいかがでしょうか?息が弾む程度の運動も良いでしょう。心臓が活発に動くことで「血」の巡りがよくなりそれに伴って「気」の巡るのでストレスの発散になりますよ。
たっぷりあったはずの「血」が不足しはじめる35歳は7年ごとの変化のなかでも大きな節目になります。たとえば、経血量が減ってきたり、出血期間が短くなったりと使用するナプキンの枚数が減ってきます。また妊娠率も徐々に下がってきますが、まだ回復力もあるため養生をしっかりすれば大丈夫です。ただし、「まだまだ大丈夫」と無理や不摂生をしていると次の7年ではガクッと落ち込むことになりかねません。
経血量が減ってくるため、むくみなどのPMSの症状が強くなったり、生理痛が増す方がいらっしゃいます。「血」の不足から巡りが悪くなり、基礎体温がガタガタしてきたり、二層に分かれなくなる方もみえます。小じわやくすみ、目の下のクマが目立ち、今までの化粧品では保湿が間に合わないことも。それもこれも「血」の不足からおきています。髪も白髪がふえ、ボリュームやツヤも減ってきます。寝れば大丈夫だった前の日の疲れも回復に時間がかかるようになります。「血」の不足で冷えに対して弱くなり、風邪をひきやすくなったり、肩こりや頭痛、腰痛で悩む方も増えてきます。
漢方では、寝ている間に「血」が作られると考えられています。また、細胞の修復やホルモンが作られる時間は夜の10時から午前2時の間です。出来るだけ早く寝るようにしましょう。目を使うことは「血」の消耗につながります。夜遅くまで携帯やTVなど目を酷使することはやめましょう。
「血」を補うものは赤い食べ物です。赤色を意識して食事に取り入れてみましょう。赤身のお魚やお肉、赤い色の野菜など。生薬では棗(なつめ)やくこの実などがあげられます。お料理も冷たいものは避けて、温かく調理していただくことが大切です。
子宮や卵巣は細い血管が多く、「血」が不足し巡りが悪くなるとその影響を大きく受けてしまいます。腰回りの血流をよくするために骨盤を動かすフラダンスやベリーダンスのような運動がお勧めです。子宮や卵巣まわりの筋肉を刺激して血行を促し、「血」の巡りをよくしましょう。ダンスはちょっと…と言う方にはヨガやウォーキングも良いでしょう。
35歳からはじまる「血」の不足に加えて「気」の不足や滞りもはじまります。ストレスへの抵抗力が弱くなり、イライラや落ち込むなどの気持ちが不安定になりやすい年齢です。また女性ホルモンの分泌量も低下してくるためバランスが崩れやすく情緒不安定や体調不良など起こりやすいでしょう。心へのいたわりが大切になってきます。
ホルモンバランスのくずれから生理周期が遅れたり、早まったりします。疲れやストレスがすぐに生理に影響します。消えないシワやシミが増え、白髪も目立つようになります。以前は大丈夫だったことがストレスやプレッシャーに感じたり、気持ちの落ち込みなど情緒不安定になりがち。やる気が出ず、慢性的な疲れを感じる方もみえます。
「気」が不足し滞っているのが原因で、ちょっとしたことにイライラしたり、くよくよしたりと自信を失いがちになります。ここで以前の自分を取りもどそうと頑張るとさらに「気」を消耗してしまいます。むしろ、ペースダウンをしてリラックスを心がけ「完璧でなくてもいいや」と気楽に構えましょう。好きなこと、趣味を楽しむとこで「気」を養い、巡らすことができます。
楽しく食事することは心のリラックスに役立ちます。家族やお友達とおしゃべりしたり、笑いながらの食事は栄養の吸収にも良い影響を与えます。ゆったり楽しく食事をすることで、心に余裕が生まれてくるでしょう。
「気」の滞りには、深呼吸が効果的です。背筋をのばし、おへそに手をあて、これ以上吐く息がないくらいまで吐ききってからゆっくりと大きく吸います。深い呼吸をすることで、鬱々とした気分やイライラが落ち着きます。体を動かしながら深い呼吸をする太極拳やヨガもお勧めです。
ほかにも養生法はたくさんあります。ここに紹介したものはほんの一部です。普段の生活に少しずつでも出来る範囲で取り入れてみませんか?
その他の養生法、49歳からの養生法が知りたい方はご相談ください。あなたに合った養生法をご紹介いたします。