A :夏は体を冷やすものがたくさんありますので、特に注意が必要です。
冷えのタイプは様々ですが、貧血や低血圧傾向の女性は体内で「熱を造る力」が不足していると言えます。これは酸素と栄養を上手く運べないので燃焼効率が悪く体温を維持できないからです。そして体温が維持できないと胃腸機能が低下してきますから、栄養分の吸収が悪くなり体はだるく疲労も蓄積します。更に血液の元となる鉄分や亜鉛などのミネラル、アミノ酸が吸収できなくなると貧血や低血圧が悪化しかねません。特に女性は生理によって血液を失う機会が多いため貧血になりやすいのです。当然健康な卵子も育ちにくくなり、妊娠にとっては不利となるでしょう。こういう状態を漢方では「血虚=けっきょ」と言いますが、実は現代生活では冬よりも夏の方が血虚になりやすいのです。
もともとスイカやキュウリなど夏が旬の野菜や果物には体を冷やす物が多いのですが、それを冷蔵庫で冷やして食べます。もちろんアイスや冷たい飲料はストレートに胃腸を冷やします。それだけでも「熱を造る力」が弱まるのに、現代では冷房という外側から体を冷やす装置があちこちにあります。これで体が冷えない訳はありません。ところが一歩外に出ると灼熱の夏。この温度差が体調不良を招き、更に自律神経にも影響を及ぼし体温調節機能が低下します。夏バテはまさにこれですね。
血液は栄養や酸素を体全身に運ぶ役割があり、良い血液の流れは体の健康や肌、髪の美しさには必須です。当然妊娠を望まれている方にとっては冷えや貧血は大敵で、漢方でも「血虚」は不妊の大きな原因と考えます。
血虚の改善方法には漢方や温熱などの効果的方法もありますが、お風呂の入り方、食事の摂り方、冷えの防ぎ方など、日常での改善ポイントも重要です。