A:男性不妊には根本的な機能に問題がある場合と、精子減少や精子の運動能力不足など精子に問題がある場合があります。
今回は後者への漢方的対策を考えましょう。なぜなら精子の減少や運動能力不足に対しては西洋医学では余り有効な方法が無いからです。
その点、子孫繁栄と長命を担ってきた漢方医学では滋養強壮薬というジャンルでその知識と経験を蓄積してきました。精子の質や量は日々の食事や漢方薬で改善できるという確信があったのですね。実際精子というのは毎日造られるので日々改善する事はできるわけです。また昔は無かった原因、例えば環境ホルモンなどの解毒にも漢方薬が使えます。
現代では漢方医学の経験に西洋医学的な分析を加え、データ的に有効な漢方薬を選び出すことができます。例えば精巣の動脈硬化が精子減少の原因であれば田七人参や朝鮮人参、虚弱体質・内臓衰弱などが原因の時には補中益気湯などが良いとされます。そして現代的な解毒漢方にはタンポポ茶を用いますね。また牡蠣は世界中で滋養強壮効果がある食品とされ薬膳料理にも使いますが、近年そのエキス剤が精子の数や運動能力を改善するという科学的データが出ています。精子の量や質の改善にこれらの方法を考慮されてはどうでしょうか。